2025年上演作品

聴衆0の講演会

作・演出=嶽本あゆ美

2025年9月27日(土)~10月6日(月)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

文化庁 助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))
独立行政法人日本芸術文化振興会

後援=尾道市、竹原市、川崎市麻生区、公益社団法人日本図書館協会

 今年は図書館法施行から75年にあたる。国立国会図書館の初代副館長に任命された中井正一は、国民の教育と文化の発展に資する図書館法成立に尽力し、その激務に斃れた。
 中井(1900‐52)は、母の命をかけた帝王切開手術で生まれ、広島県竹原市と尾道市で育ち、京都帝大学哲学科に進み、美学の講師となる。しかし、滝川事件の処分反対運動に関わり、文化雑誌「世界文化」、文化新聞「土曜日」を発刊するなど反ファシズム文化運動に参加したため、治安維持法違反によって検挙され、転向を余儀なくされる。しかし戦後、新しい時代の発足に、尾道市立図書館長として市民文化運動にひとり乗りだす。この文化運動は風紋のように広島県下に広がり、初めての県知事選にも出馬。その後に国会図書館副館長となる。
 中井の同名エッセイに着想を得て、その波乱の半生を、強いきずなで結ばれた母千代、献身的に支えた妻ミチ、文化運動をともにした「荷車の歌」著者の山代巴との関わりのうちに劇化する。

前売り開始2025年8月19日(火)

あらすじ

 京大哲学科で美学を学んだ中井正一は京大講師となり、西田哲学、田辺哲学との格闘を経て、独創的な「集団的実践的主体性の哲学」を構想、その将来を三木清や戸坂潤らとともに期待されていた。その明るい人柄は仲間からの信頼も厚く、また母千代が選んだ妻ミチを迎え、前途洋々たる人生を歩んでいた。
 しかし時代は暗い谷間へ。反ファシズム文化運動に参加した中井は、治安維持法違反で検挙され、懲役2年執行猶予2年の刑を受ける。
 尾道市立図書館長の職を得て、幸いにも家族とともに疎開していた中井は、敗戦、治安維持法の廃止とともに、平和で民主的な社会の実現のための文化講演会を始める。テ ―マは、一人一人が自分の目で見、自分の頭で考え行動する主体性の確立だった。しかし熱演すればするほど話の難しさに聴衆は減り、ついには母だけになる。
 ふたたび挫折を味わった中井だったが、母の助言を得てしだいに話し方を覚え、聴衆が戻って来る。戦後の生き方に悩んでいた山代巴も講演に感銘を受け、文化運動に加わる。やがて妻の献身的な支えで文化運動は広島県下に広がり、初めての知事選にもかつぎだされる。
 知事選には落選したが、中井は新設された国会図書館の初代副館長に任命された。国会図書館の運営と図書館法成立に奮闘するが、時代は逆コースをたどり始め、民主勢力と全国の文化運動は後退し始めていた……。

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キャスト

中井正一(美学者)神 敏将
中井千代(その母)樫山文枝
中井ミチ(その妻)桜井明美
中井由紀(その長女)幸 はるか
魚トク(魚屋徳兵衛)佐々木梅治
山代巴(府中文化連盟書記)神保有輝美
城間功順(元海軍兵)橋本 潤
田坂寧邦(尾道市長)塩田泰久
羽仁五郎(参議院議員)天津民生
予審判事/国会図書館長境 賢一
警察署長/参議院議長の声山本哲也
ウメ/国会図書館課長石巻美香
ソノ/国会図書館職員前田真里衣
マルクス(学生)/槙田勉(広島高校学生)横山陽介
吉岡(農民)滑川龍太
ニーチェ(学生)/青年保坂剛大
パスカル(学生)/酒井悌(参議院調査部)大野裕生
吉岡芳子/国会図書館職員日髙里美
平尾公子/国会図書館職員印南 唯
秘書齊藤みのり

スタッフ

装置乘峯雅寛
照明中島俊嗣
衣裳宮本宣子
音楽片野真吾
効果岩田直行
舞台監督深川絵美

スケジュール

2025年9月27日(土)~10月6日(月) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(新宿南口)

9月 27
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30
10月 1
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6
13:30 13:30    
18:30         18:30        
  • 開場は開演の30分前、チケット受付は1時間前からです。
  • ☆9月27日(土)終演後、獄本あゆ美氏・竹内栄美子氏によるアフタートークを開催します。
  • ★9月28日(日)終演後、バックステージツアーを開催します。
  • ◎10月5日(日)終演後、出演者との交流会を開催します。

紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA(新宿南口)のアクセスマップ

  • JR新宿駅「新南口」より徒歩5分・「南口」より徒歩8分/JR代々木駅「東口」より徒歩5分
  • 地下鉄副都心線 新宿三丁目駅「E8出口」より徒歩5分

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チケット

発売開始

2025年8月19日(火)午前10時~

「民藝の仲間」会員先行予約:2025年7月18日(金)

入場料金(全席指定・税込み)

一般=7,000円
夜チケット=5,000円[夜公演(10月1日・3日)全席]
U30(30歳以下)=3,500円 [劇団のみ取扱い、要証明書]
高校生以下=1,100円(劇団のみ取り扱い・枚数限定)
バリアフリー割引6,300円 [劇団のみ取扱い、要証明書]

お申込み

劇団民藝

TEL.044-987-7711(月~土 10時~18時)
チケットに関するお問い合わせもお気軽にお電話ください。

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Lコード予約 TEL.0570-084-003
Lコード:36767
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