作=斎藤 憐 演出=丹野郁弓
4月 三越劇場
戦後のクリスマスを舞台に、激動の5年間を描いた斎藤憐さんの傑作戯曲。民藝初演から34年。あらたな陣容による新しい舞台化から8年が経ちました。しかしまさに今の時代を映した芝居として、これほど客席へ鈍い光を乱反射させる作品はありません。
憲法が、民主主義が、そして世界情勢が揺らぐ今、戦後日本の原点を描く作品が私たちに問いかけるものは――。
多くのリクエストにより、久しぶりの日本橋三越本店「三越劇場」での上演です。
敗戦の年のクリスマス。進駐軍の将校クラブに母屋を接収され、離れに追いやられた五條伯爵家。天皇は人間になり、華族制度は廃止。路頭に迷って自殺を図る生活力のない当主の五條、戦犯裁判にかけられる弟、ヒロポン中毒の息子らの中で女たちはたくましく、後妻の華子と弟の妻慶子は、将校クラブのホステスを引き受けた。
不穏な動きを見せる闇屋の権堂や日系二世の軍人ジョージ・イトウが出入りする離れでは、にぎやかな宴が始まっている。ジョージの説くデモクラシーの理想に胸をときめかし、愛をふくらませてゆく華子。娘・雅子は、なぜか権堂に魅かれてゆく。やがてアメリカの占領政策がかわり、朝鮮戦争がはじまる。特需景気で旧勢力が息をふきかえし、五條の弟は政界に復帰、息子は警察予備隊に。そして翌年、戦死したジョージから思い出のオルゴールが華子のもとに届くのだった……。
◆2026年公演は1月から4月にかけて首都圏、神奈川、東北、中部・北陸、北海道の各地を巡演いたします。↓関連公演「2026年」でスケジュールとお問合せ先をご確認ください。
2026年4月の東京公演(三越劇場)のチケット詳細は年内に公開し、民藝にお申し込みいただけます(後援会「民藝の仲間」会員先行予約)。公開までもうしばらくお待ちください。