劇団民藝

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2022年上演作品

忘れてもろうてよかとです-佐世保・Aサインバーの夜-

作=河本瑞貴 演出=丹野郁弓

9-10月 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

かつて軍港として栄え、戦後は米軍基地の街として発展した佐世保市。その地に米軍が進駐してきたのは、敗戦からひと月をへた1945年9月。いらい米兵相手のバーやキャバレーが軒を連ねる歓楽街が焼け跡に出現し、1950年に勃発した朝鮮戦争で街はさらに潤い活気づいたのでした。この物語は、今は寂れた元Aサインバーのマダムの誇りと後悔に彩られた心の内を、過ぎ去りし日の思い出と身に迫る現実を交錯させながら描いていきます。「Aサイン」とは、米軍が衛生検査をして合格した店に発行する証明書のこと。社会の底辺に咲いた女性の「戦後史」を通して、それでも生き抜くことの大切さを今に問いかけます。
作者の河本瑞貴さんは、佐世保市出身で同市に在住。『正造の石』(池端俊策共作)いらい民藝2作目となる本作は、期待の書き下ろし新作です。

あらすじ

九州の最西端、米軍基地のある港町・佐世保。昔、セーラータウンと呼ばれた一角に、その小さな店(バー)はある。70年代、ベトナム戦争が終わるまでは米軍の水兵たちで溢れかえったものだが、市制100周年2002年の今となっては客がゼロという夜も。
誰も来ない店でたった一人の時間に身を委ねるうち、70を過ぎた女主人は、独り言を言うようになった。近頃は独り言に返事を返してくれる、姿の見えない相手が傍にいるような気さえしている。
「この店、閉めてもよかて思う?」女主人が相談を持ちかけた。するといきなり時が巻き戻って、アメリカ軍が初めて上陸してきた昭和20年9月の光景が目の前に…「ウチはボケたとやなかろうか!」
今宵、この店で一体何が?

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