作=木下順二 演出=丹野郁弓
2024年5月17日(金)~26日(日)
紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
助成:文化庁文化芸術振興費補助金(舞台芸術等総合支援事業(公演創造活動))
独立行政法人日本芸術文化振興会
〈築地小劇場開場100周年〉
祖国を愛したその〝男〟はなぜスパイ活動に身を投じたのか
緊迫する世界情勢のなかで自らの思想に生きた一人の日本人を描く木下順二の代表作。
20世紀最大のスパイ事件として国際社会を震撼させた「ゾルゲ事件」。戦前の日本において至難ともいえる戦争阻止の行為を貫こうとした男たちがいました。ゾルゲとともに活動した尾崎秀実の思想と行動を素材として劇化した木下順二さんの代表作です。宇野重吉との結びつきのなかで生まれた本作は民藝で1962年に初演。このたびは木下戯曲5作目となる丹野郁弓の新演出で取り組みます。
オットーの選択は私たちのいまに何を問いかけるでしょうか。
【上演時間】約3時間40分(途中休憩2回含む)
1時間15分/休憩10分/1時間10分/休憩10分/55分
1930年代初頭、資本主義諸国の植民地争奪戦争に参加した日本に対して、排日感情が高まりつつある上海。諜報活動を行うジョンスンと呼ばれるドイツ人、宋夫人と呼ばれるアメリカ女性、ドイツ人無線技師フリッツらが日本に対するジョンスン機関の中国における役割を検討しています。その中で、日本軍の動向を正確に調査する適任者として、新聞社特派員であるオットーと呼ばれる日本人を機関に入れることがジョンスンにより提案されます。日本では北進政策をとる陸軍と南進政策をとる海軍とが対立しており、日本帝国主義はどちらを目指すのか、それを見極めることが機関の大きな任務だったのです。
上海を離れることの出来ないオットーは協力者の林とともにジョンスンと会い、林は満洲へ行くことを命ぜられます。
満洲から戻った林は日本は満洲を支配下に置き、かいらい政権樹立を目論んでいるとジョンスンに報告し、その場でオットーは日本へ帰国する意思を告げる。「あの社会主義の国」を「理想の中にある祖国」としてもちながらも、祖国をもたないジョンスンと、あまりにも日本人であり過ぎるオットー。ふたりは行動を別にするのでした。
東京で数年間、妻や娘と一見平穏な日々を送っていたオットーですが、自宅で友人の瀬川と家族揃って話しているところへ、林が現れます。日本に活動の拠点を移したジョンスン機関にはフリッツの他、日本人画家ジョーらが加わりますが、ジョンスンはふたたびオットーに連絡を取ることにします。
日本の差し迫った現状を語り、日本を捲きこませないためにも世界戦争をくいとめなきゃいけないと強く語るオットーは、ついにジョンスンの要求に応じる決断をするのでした……。
そして日米開戦が一触即発という1941年、今や中国問題の評論家として総理の信望と内閣への発言権を強めていたオットーが、ついに検挙逮捕されます。検事に対して彼が語る「正真正銘の日本人」とは。
〈掲載情報〉
4月29日しんぶん赤旗:神敏将・桜井明美インタビュー
5月14日読売新聞夕刊:神敏将インタビュー
5月16日東京新聞夕刊:丹野郁弓インタビュー
5月19日赤旗日曜版:神敏将寄稿
5月21日毎日新聞夕刊:丹野郁弓・神敏将インタビュー
5月23日朝日新聞夕刊:劇評(山本健一氏)
ジョンスンと呼ばれるドイツ人 | 千葉茂則 |
---|---|
宋夫人と呼ばれるアメリカ人 | 桜井明美 |
フリッツという名のドイツ人 | 山本哲也 |
王 | 釜谷洸士 |
鄭 | 横山陽介 |
林 | 吉田正朗 |
青年 | 小守航平 |
日野 | 平野 尚 |
オットーと呼ばれる日本人 | 神 敏将 |
その妻 | 中地美佐子 |
その娘〈ダブルキャスト〉 | 松井優梨愛(劇団ひまわり)A |
〃 | 若菜優香(劇団ひまわり)B |
瀬川 | みやざこ夏穂 |
その妻 | 石巻美香 |
その娘〈ダブルキャスト〉 | 大塚芽依(劇団ひまわり)B |
〃 | 佐々木美月(劇団ひまわり)A |
ジョーと呼ばれる日本人 | 塩田泰久 |
南田のおばちゃん | 戸谷 友 |
ゾフィー | 石川 桃 |
検事 | 吉岡扶敏 |
弁護士 | 境 賢一 |
装置 | 勝野英雄 |
---|---|
照明 | 前田照夫 |
衣裳 | 宮本宣子 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 中島裕一郎 |
2024年5月17日(金)~26日(日) 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA(新宿南口)
5月 | 17 金 |
18 土 |
19 日 |
20 月 |
21 火 |
22 水 |
23 木 |
24 金 |
25 土 |
26 日 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
13:30 | △ | ☆ | △ | ○ | ○ | ○ | ★ | ○ | ||
18:30 | ○ | ✖️ |
ご利用の際は必ず事前にご連絡ください。
上記制度をご利用の際は、事前に劇団までご連絡ください。
劇団民藝
TEL.044-987-7711
E-MAIL seisaku@gekidanmingei.co.jp
詳細は「バリアフリー観劇について」をご覧下さい。