原題=Le Visiteur
作=エリック=エマニュエル・シュミット 訳=丹野郁弓
演出=田中麻衣子
9・10月 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
エリック=エマニュエル・シュミット(1960―)は、現代フランスを代表する世界的劇作家です。日本でも上演された『謎の変奏曲』など彼の戯曲は世界中で翻訳され上演されています。『訪問者』は、無神論者であり精神分析医フロイトが、うつ病にかかった「神」を治療したらという奇想天外な発想から生まれた知的でユーモラスな作品です。1993年にフランスで初演され大ヒット、衝撃的な舞台はモリエール賞を受賞しました。終わらない戦禍と狂気に充ちた世界に「神」を信じつづけることはできるのか――。
戦禍と狂気に充ちた世界に「神」は存在するのか?
1938年4月ウィーン、ユダヤ人に対する略奪と暴行がおこなわれている。無神論者フロイト博士はウィーンを離れることを拒んできたが、娘のアンナもゲシュタポに連行されたため、やむなく出国に同意する書類にサインをする。そこへ見知らぬ男が窓から無断で入ってくる。しかもこの謎の男は「自分は神である」と主張するのだ。フロイトは狂人と思い対話をつづけるが、しだいに「この男は神かもしれない」と思い始める……。