原作=藤沢周平 脚本=吉永仁郎 演出=高橋清祐
2011年12月4日(日)~20日(火)
三越劇場
数ある藤沢周平作品の中から、現代にもつながる江戸庶民の哀歓を描いた好短篇のいくつかを組合せた劇化上演、『深川暮色』(2005)『海鳴り』(2008)に次ぐ「藤沢周平=吉永仁郎」会心の第三作。市井に生きる人びとの喜怒哀楽、人生のやるせなさが人情味豊かに綴られた物語が、裏店を舞台に展開します。
日本橋川が大川(隅田川)にそそぐ何町か手前、掘割に近い裏長屋。三月先に祝言をひかえ水茶屋勤めに精を出す娘、商売の見習いで上方にいる孫の帰りを待つ老婆、つぶしてしまった古手屋(古着古物の店)をもう一度立て直そうと日雇稼業や内職に汗を流す夫婦などが、肩を寄せ合ってその日その日を何とか過ごしています。今日も何事もなく終わりかけた秋の夕暮れ時、人目を避け駆け込んできた男とそれを追って来た十手の男たち。これがきっかけのように、一見平穏に暮らす裏店の人びとの心を揺さぶる出来事が次々と……。
辰蔵(長屋の住人、日雇人足) | 水谷貞雄 |
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おまつ(辰蔵の女房) | 塩屋洋子 |
伊之助(辰蔵の仕事仲間) | 塩田泰久 |
おすみ(長屋の住人、水茶屋の女中) | 日色ともゑ |
新七(味噌問屋の手代) | 西川 明 |
勝蔵(大工、おすみの許婚) | 吉岡扶敏 |
おつね(長屋の住人、独り住居の年寄り) | 入江杏子 |
安五郎(畳屋、おつねの弟) | 内藤安彦 |
清太(おつねの孫) | 和田啓作 |
おきく(足袋屋の縫い子) | 飯野 遠 |
善次郎(履物屋の若旦那、清太の友達) | 平松敬綱 |
岩吉(長屋の住人) | 岩下 浩 |
おくら(岩吉の女房) | 田畑ゆり |
おすえ(足袋屋の女房) | 別府康子 |
おみつ(子守の娘) | 印南 唯 |
やくざ1 | 岡山 甫 |
やくざ2 | 高野 大 |
酔っ払いの男 | 今野鶏三 |
岡っ引きの手下たち | 梶野 稔 |
〃 | 西部 守 |
長屋の女たち | 新澤 泉 |
〃 | 齊藤詩織 |
装置 | 堀尾幸男 |
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照明 | 中川隆一 |
衣裳 | 貝沼正一 |
効果 | 岩田直行 |
舞台監督 | 内田喜三男 |