劇団民藝

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2020年上演作品

ある八重子物語《劇団民藝+こまつ座公演》

作=井上ひさし 演出=丹野郁弓

12月 三越劇場

新劇から出発して新派で活躍した初代・水谷八重子(1905~1979)。「世の中がいまより少しでもましになりますように」という新劇の考え方に影響を受け、〈女優〉という新しい職業の確立をめざした時代の先駆けとして知られています。戦前・戦中・戦後。とある病院を舞台に、新派を愛する人びとによって語られる八重子の芸と生きざまとは。井上ひさし流の爆笑とユーモラスな筆致で、「滝の白糸」「婦系図(おんなけいず)」「日本橋」「明治一代女」など新派劇の代表的な舞台や名台詞も散りばめられて物語が展開します。初演は水谷八重子十三回忌追善・新派特別公演として1991年新橋演舞場で上演。ひさし版〈昭和と女優〉ともいえる傑作戯曲を、初の民藝+こまつ座提携でご覧いただきます。
神田川が隅田川へと流れこみ、花街として栄えた柳橋。舞台は、1941(昭16)年から敗戦直後の1946(昭21)年にかけての柳橋・古橋医院。ここに集う人びとは、水谷八重子に心酔する古橋院長を筆頭に、事務方、看護婦、女中まで全員が大の新派マニア。患者の身の上話もたちまち「婦系図」風の筋書きに。そこへ八重子そっくりの「音楽のような声」をもつ芸者花代が登場、恋愛事件もわきおこって大騒動。はたまた「女形の研究」に熱中するあまり、入営日に寝過ごし徴兵忌避者になってしまう大学生もからんで……。

主な出演