劇団民藝

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2020年上演作品

どん底―1947・東京―

原作=マキシム・ゴーリキー 脚本=吉永仁郎
演出=丹野郁弓

4月 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

マキシム・ゴーリキーの『どん底』は帝政ロシア末期に書かれました。それを吉永仁郎氏の脚本により、終演後の闇市を頼りに底辺の暮らしをしながらそれでも生きようとする人々を見つめ直す作品に生まれ変わりました。逞しく生きる庶民に寄せる温かい眼差しは吉永氏の真骨頂です。新劇における歴史的傑作とされる『どん底』はこれまでもさまざまに舞台化・映画化されてきた作品ですが、戦後の新橋というこの大胆な舞台設定は原作の持つ味わいを損なうことなく、現代日本に違和感なく受け入れられることでしょう。
太平洋戦争が終わって二年過ぎた1947年。東京・新橋にほど近い焼けビルの半地下。ここに行き場のない人々が暮らしている。仕立て屋・宮本、靴屋・大場、役者・市川、元華族様・大久保、特攻隊上がり・尾形、インテリ・桃沢、商売女・みどり、荷担ぎ・飯島等々、いずれも先の大戦で人生が大きく狂わされた人々ばかりである。大家は戸倉だが、実際にここを仕切っているのはその若い妻である菊江である。菊江は尾形と訳ありの仲だが、尾形は菊江の腹違いの妹テル子を愛している。そんなある日、正体不明の老人・仁科がやってくる。彼の説くユートピア幻想に、住人たちは大きく心を揺さぶられるのだが…。

主な出演