劇団民藝

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2020年上演作品

想い出のチェーホフ

作=レオニード・マリューギン 訳=牧原 純
演出=丹野郁弓

6~7月 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

『かもめ』『三人姉妹』『桜の園』など不滅の作品を書いたロシアの作家アントン・チェーホフ。簡潔なせりふと抑制のつよい作風で知られていますが、一方でおびただしい数の手紙を書いています。ゴーリキーへ、恋人リーカへ、妻クニッペルへ。冗舌で思い切り気楽で、手紙は全く私的な次元で呼吸できる場でした。現存するチェーホフの四千数百通の書簡やメモを中心に、劇作家マリューギンが一篇の叙情詩のように構成。帝政ロシアの農奴解放から、血の日曜日の革命前夜にいたる「暗い谷間」を生きぬいた人間の芸術的記録ともいえます。戯曲は1968年、宇野重吉演出により民藝初演。朗読形式による斬新な舞台構成とことばの美しさに感動が広がり、再演を重ねています。いま半世紀をへだてて、新たな陣容で舞台の魅力に迫ります。
舞台は医学生チェーホフが生計のため小説を書き始めてから、戯曲『桜の園』を脱稿して死ぬまでの足跡を追う。俗物の兄アレクサンドルをたしなめ、妹マリヤの女友達リーカとの悲恋にくれるチェーホフ。文豪ゴーリキーとの幸せな出会いや、女優クニッペルとの結婚と別居生活。その間、小説の中傷に怒り、流刑地サハリンの旅行で地獄を見、舞台の失敗・成功をくり返す。ユーモアと皮肉、怒りと悲しみ。人間チェーホフのにがい孤独と、観察者としての姿勢が真実を見つめた往復書簡からあかされて……。

主な出演