劇団民藝

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2024年上演作品

ふたくちつよし 書き下ろし

作=ふたくちつよし 演出=中島裕一郎

9-10月 紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA

 どこにでもいる普通の家族のささやかな思いを描いてきた、ふたくちつよしさん。『霞晴れたら』『野の花ものがたり』につづく民藝書き下ろし新作を中島裕一郎演出で舞台化します。ときに静かに、ときに激しくぶつかり合う家族。かたくなになった心をふたたび開くことはできるのでしょうか。いまを懸命に生きようとする家族再生の物語です。
 郊外にある築三十年ばかりたつ民家。香坂順三とその妻久枝は、一男三女に恵まれこの家で暮らしてきましたが、いまでは長女と次女は結婚して家を出ています。明日、久しぶりに香坂家の全員が集まります。順三の喜寿の宴が開かれるからです。久枝ははしゃぎ気味ですが、当の順三の表情はいまひとつ晴れません。長女遼子は、二十数年前に久枝の大反対を押し切って結婚。それ以来ふたりは仲違いし、順三のとりなしもむなしく、遼子は家に決して寄りつこうとしませんでした。それなのになぜか喜寿の宴に出席すると言うのです。そこに遼子の友人から電話がかかってきて……

主な出演