2013年上演作品


東京公演

2013年2月 紀伊國屋サザンシアター

真夜中の太陽

原案・音楽=谷山浩子
作=工藤千夏 演出=武田弘一郎


2013年4月 紀伊國屋サザンシアター

夏・南方のローマンス

神と人とのあいだ 第二部

作=木下順二 演出=丹野郁弓


2013年6・7月 紀伊國屋サザンシアター

無欲の人

-熊谷守一物語-

作=相良敦子 演出=兒玉庸策


2013年9月 紀伊國屋サザンシアター

集金旅行

原作=井伏鱒二 脚本=吉永仁郎 演出=高橋清祐

主な出演=樫山文枝、箕浦康子、水谷貞雄、西川明、小杉勇二

今から20年前に95才の高齢で亡くなった作家井伏鱒二は、当代を描いても歴史を扱っても多くが世間からはみ出したような人々、時代に取り残されたような人々を描いています。それらには、文壇周辺の無理解から10年余りの不遇の時代を余儀なくされ苦しみ漂った作者自身の姿が映されているのですが、作中の人物の哀しみはこの作家独特のユーモアにくるまれて、作品全体をどこか牧歌的風景のように描き出しています。「集金旅行」は旅が好きだった作者36才の頃の中篇小説で、1935年(昭和10年)から翌年にかけて雑誌に連載されました。

――東京荻窪のアパートの経営者が急病で死んだ。跡継ぎの家族も血縁者もいないアパートに残されたのはかなりの借金と10人ばかりの居住者である。一方で、部屋代を滞納したままで郷里へ逃げ帰った不心得者が多く、その金額はバカにならない。住居者たちは一計を案じ、その夜逃げした連中から部屋代を取り立てて借金を返し、居心地のいいこのアパートに住み続けようと考える。その集金人の役目を引き受ける羽目になったのが、「売れない小説家」を自称するヤブセマスオ氏(原作では「私」)である。こうして中国地方や九州への集金旅行が始まる――。

井伏作品は何度か映画になっていますが、舞台化が難しくこれまでほとんど上演されたことがありません。劇化にあたって、吉永仁郎さんは「ホントのことを書くのが随筆でウソを書くのが小説だ、とはいかにも井伏さんらしい言い方だがそのウソの上にさらにウソを、井伏文学の香気を損ねないウソを重ねて、観客に舞台を見ながら良質の小説を読んでいるような気分になってもらう。そんな静かな喜劇にしたい」と語っています。


2013年12月 三越劇場

八月の鯨

作=デイヴィッド・ベリー 訳・演出=丹野郁弓

奈良岡朋子、日色ともゑ、篠田三郎(客演)

『八月の鯨』の作者デイヴィッド・ベリーは1943年アメリカコロラド州に生まれました。1980年に発表されたこの作品は彼にとっては第二作目に当たります。元々舞台劇として書かれたこの作品を一躍有名にしたのは、1987年リリアン・ギッシュとベティ・デイヴィスという往年のハリウッド女優の競演による映画化、およびその大ヒットによるものでしょう。老境にあってもなお自分の人生を見つけようとする人々。彼らはどのように死ぬかではなく、どのように生きるかを探ろうとします。奈良岡朋子、日色ともゑ、そして篠田三郎さんを客演に迎えておくります。

アメリカ、メイン州沿岸の島にある別荘でリビーとサラの姉妹は毎年、夏を過ごすことにしている。1954年の8月、鯨の訪れを心待ちにする姉妹だが、もう昔のように鯨がこの島にやってくることはない。目がみえなくなった姉のリビーはますます気難しく、面倒見のいい妹のサラもさすがに手を焼く始末。そんな頃、幼なじみのティシャがサラにある提案をする。リビーを施設に預けて自分と暮らさないか、と言うのだ。迷うサラ。さらにロシアの亡命貴族マラノフの登場で姉妹の間には微かな波風がたつ……。


各地公演

カミサマの恋

作=畑澤聖悟 演出=丹野郁弓

どろんどろん

-裏版「四谷怪談」-

作=小幡欣治 演出=丹野郁弓

アンネの日記

原作=アンネ・フランク 脚色=フランセス・グッドリッチ/アルバート・ハケット 訳・演出=丹野郁弓


稽古場公演

ヨールカの灯り

作=アレクセイ・アルブーゾフ 訳=尼宮玲子 台本・演出=清水柳一


黒い雨

-八月六日広島にて、矢須子-

原作=井伏鱒二「黒い雨」(新潮文庫刊)より 上演台本=笹部博司 演出=丹野郁弓