2014年上演作品


東京公演

2月 紀伊國屋サザンシアター

蝋燭の灯、太陽の光

作=テネシー・ウィリアムズ 訳=吉原豊司 演出=高橋清祐


4月 紀伊國屋サザンシアター

シズコさん

原作=佐野洋子『シズコさん』(新潮文庫刊) 脚本=小池倫代 演出=兒玉庸策


6・7月 紀伊國屋サザンシアター

白い夜の宴

作=木下順二 演出=丹野郁弓


10月 紀伊國屋サザンシアター

コラボレーション

作=ロナルド・ハーウッド 訳=丹野郁弓 演出=渾大防一枝

主な出演=西川 明吉岡扶敏戸谷 友

『コラボレーション』は、以前上演した『どちらの側に立つか』(1998年民藝初演)と対になる作品である。双方とも第三帝国時代のドイツで、芸術の絶対優越性を主張して、ナチのユダヤ人政策に抗う、時代を代表する音楽家の葛藤を描いている。
ドイツの大作曲家リヒャルト・シュトラウスが、長年共同作業をしてきたホーフマンスタールに死なれて、新しいオペラの台本作家を求めていらいらしている。意中にはシュテファン・ツヴァイクがいるが、拒否されるのを恐れて躊躇している。妻の元オペラ歌手のパウリーネが背中を押す。一方協力の申入れを喜んだツヴァイクは、シュトラウスを訪れる。お互いに一流の芸術家と認めあっている二人は、十七歳の年齢差も越えて共同作業に取りかかる。こうしてオペラ「無口の女」は完成し、初演はドレスデンと決まるが、ユダヤ系オーストリア人であるツヴァイクはナチスが政権を取っているドイツには行けない。大成功の様子を音の悪いラジオで辛うじて聴くだけだ。
シュトラウスは第二、第三の台本を求めるが、ツヴァイクは身の危険を感じてイギリスに行ってしまう。ナチスはドイツを代表する作曲家を逮捕して世界中の評判を落すのを避けていたが、ツヴァイク宛の手紙を押収して、息子のユダヤ人妻や孫をだしに、遂にシュトラウスを屈服させる。オーストリア人でありヨーロッパ文化の申し子と自認していたツヴァイクは世界の未来に絶望し、亡命先のブラジルで忠実な秘書と共に自死する。その三年後ドイツは敗北した。


12月 三越劇場

バウンティフルへの旅

作=ホートン・フート 訳・演出=丹野郁弓

主な出演=奈良岡朋子

ホートン・フートは1916年テキサス生まれ。舞台、テレビ、映画の脚本家として広く知られ、中でも映画「アラバマ物語」の脚色が有名である。2009年に死去するまでアメリカのエンターテインメント業界において長期間君臨し続けた作家である。
『バウンティフルへの旅』は1953年にテレビドラマとして制作された。リリアン・ギッシュ主演のこのドラマは好評で、同じ年にほぼ同じ配役で舞台化されている。また1985年に映画化され、主演したジェラルディン・ペイジはアカデミー賞を受賞した。
同じ時期に活躍したテネシー・ウィリアムズの良きライバルとされたフートは、ウィリアムズを「芸術的には兄」だが「私の好みからすると少し飾りすぎている」と評した。その言葉どおり、華麗で詩的な言葉をくりだすウィリアムズとは対照的に、フートは市井の人々を優しく見つめ、穏やかで抑えた筆致で日常を切り取る作家だと言えるだろう。
未亡人キャリー・ワッツは、息子ルディとその嫁ジェシー・メイと共にテキサス州ヒューストンで暮らしている。都会の生活に馴染めず、絶え間ない嫁とのいざこざに耐えかね、ワッツ夫人は止める息子夫婦を尻目に、わずかな年金を手に故郷バウンティフルへの旅に出る。旅の間のさまざまな騒動、知り合う人々との暖かな交流…ついにたどり着いた故郷で彼女は何を見つけるのだろうか。


各地公演

八月の鯨

静かな落日

海霧