1999年稽古場公演

原源一 作/高橋清祐 演出
漁 港 
7月13日(火)〜18日(日)

石川逸子作/渾大防一枝 演出
もっと生きていたかった
〜子供たちへの伝言〜
8月6日(金)〜9日(月)

石川逸子作/渾大防一枝 演出
千鳥ヶ淵へ行きましたか
8月11日(水)〜12日(木)

 毎年夏に黒川(京王線若葉台駅または小田急線黒川駅下車)の小空間から発信する稽古場公演。
 昨年は「外套」と「千鳥ヶ淵へ行きましたか」の二作品を上演し、
真夏日にもかかわらず、稽古場は連日大勢のお客様であふれかえりました。

 今年は新作2作「漁港」「もっと生きていたかった」と、ご好評にお応えしてのアンコール公演「千鳥ヶ淵へ行きましたか」の三作品を連続上演。稽古場ならではの凝縮された舞台をお目にかけます。


漁 港
  1999年7月13日(火)〜18日(日)
   作 /原 源一 
  演出/高橋清祐

    出演/山本 勝 安田正利 山吉克昌 石森武雄 小杉勇二 杉本孝次 竹内照夫 森 良夫
      荒井 央 吉田民夫
      仙北谷和子 別府康子 土部 歩 大橋伸予 石原亜季 前田真里衣 永田亜矢子

稽古風景
石原亜季


 スタートを切るのは、7月13日初日の、原源一作「漁港」(『新劇』戯曲賞受賞)です。
この作品は今から40年前の1959年に、劇団民藝第40回公演として故菅原卓の演出で、新宿第一劇場で上演されました。宇野重吉、佐野浅夫、垂水悟郎、内藤武敏、小夜福子、吉行和子など、当時の民藝の、そうそうたる顔ぶれの俳優達が出演し、大変な反響を呼びました。
この作品を、現在の民藝を代表するベテランから新人まで実力派演技陣が復活させます。

 ビキニ海域でアメリカの水爆実験に遭遇し、「死の灰」を浴び全世界に衝撃を与えた第五福竜丸事件(1954年)を核に据えて、それにかかわらされた人々がどう闘ったかを、若い船員達の、友情、恋愛、生活の中に生き生きとしたタッチで描いています。

 今回は、かねてよりこの作品に強い意欲を燃やしていた高橋清祐の演出でお目にかけます。

 不意に襲いかかった死の灰は、癒されることのない心の傷のように今も消えることはないのでしょうか。
狂わされた運命にたち向かう若者たちの葛藤や行き場のないエネルギーを鮮烈に描くこの作品は、時代や世代をこえて私たちに新鮮に映ります。
 遠い過去のことでもなく、他人ごとでもなく、恐怖や死の灰の爪あとは今なお残っているのです。現代に感得できる新たな発見を期待し、関係者一同、稽古場公演に挑みます。

第五福竜丸
(東京都江東区・第五福竜丸展示館)

<第五福竜丸>
 太平洋戦争が終わった直後の1947年、和歌山県古座でカツオ漁船として作られた。
その後、焼津に移りマグロ漁船に改造され、 1954年1月22日に23人の乗組員を乗せて太平洋のマグロ漁に出港。
 そして3月1日未明、ビキニ環礁で行われたアメリカの水爆実験に遭遇した。
 現在は夢の島の第五福竜丸展示館に保存されている。


追加公演決定!16日2:00開演

7月 13(火) 14(水) 15(木) 16(金) 17(土) 18(日)
ひる   2:00 2:00 2:00 2:00
2:00
よる 6:30     7:00    

公演アンケートより

●ふってわいたように被爆者になってしまった乗組員の苦しみ。どうしようもない現実から生きていかなくてはならない。過去から今日、原爆禁止の運動はつづいている。人の命を大切にする世の中になってほしい。

●私も原爆マグロを食べました。死ぬときは死ぬのだと思いながら焼酎をのみました。熱心な舞台に感激しました。

●第五福竜丸の乗組員をとりまく人々の目や心の動きが、この劇をとおして感じることができました。一つの生命への執着に、人がもつ生命力のすごさを実感しました。

●忘れてはいけないことをとり上げて、その緊迫感に怒りをあらたにしました。出演者の熱のこもった演技に感動しました。多くの方に見てほしい作品です。


ドラマティック・リーディング  
もっと生きていたかった −子どもたちの伝言−

1999年8月6日(金)〜9日(月)
作 /石川逸子 演出/渾大防一枝

出演/長 慶子 白石珠江 松田典子 石巻美香 山田由佳 花村さやか
    伊東理昭 中村啓士 吉田直哉

左より 
 
長慶子・白石珠江・吉田直哉
 中村啓士
・石巻美香・松田典子

 昨年にひき続き、石川逸子さんの詩に託された思いを、俳優自身の感性と身体を通して客席に、直接語りかける「ドラマティック・リーディング」形式の2作品を、続けて上演します。

 石川逸子さんの「もっと生きていたかった」は今回が初演。
 チェコのテレジン収容所に4,000枚の絵を残し、アンネと同じように強制収容所で殺されたユダヤ人の子どもたち、ヒロシマの子どもたち、沖縄の、ベトナムの、パレスチナの子どもたち、そしていじめで自殺した今の日本の子どもたち。

 大人がおこした戦争のために大人になれなかった子どもたちを描いた詩集を舞台化します。
平和への思いをおくみとり下さい。  

8月  6(金)  7(土)  8(日)  9(月)
ひる   3:00 3:00 3:00
よる 6:30 6:30 6:00   

ドラマティック・リーディング 
千鳥ヶ淵へ行きましたか

1999年8月11日(水)〜12日(木)
作/石川逸子 演出/渾大防一枝



出演/入江杏子 岩崎智江 披岸喜美子 久保まづるか 長 慶子 白石珠江 松田典子 石巻美香
     田嶋陽子(特別出演)

昨年度の稽古場公演舞台より

 アンコール公演として「千鳥ヶ淵へ行きましたか」を上演いたします。
 戦後50年目の1995年より、毎年夏に各所で公演し、改めて戦争と平和を、被害、加害の両面から問い直してきました。
 
今回も法政大学教授・田嶋陽子さんを客演として迎えます。


田嶋陽子教授のOFFICIALファンクラブホームページ

公演班よりご挨拶

 この夏で『千鳥ヶ淵へ行きましたか』も五年目を迎えます。
最初は有志のものたちで始めましたが、昨年から劇団民藝稽古場公演として上演するようになりました。
今年はその後、横浜のテアトルフォンテでも上演致します。

 戦後半世紀以上も経っているのに、戦争の後始末をきちんとつけないまま忘却の彼方に押しやり、ガイドライン法だ、盗聴法だ、国旗・国歌法だとなし崩し的に戦前回帰していっているような世の成行きに危機感を感じずにはいられません。歴史の教訓から学ばないものは歴史に仕返しされるといいますが、あれだけ惨澹たる被害を他国に加え、自国民にも大変な犠牲を強いた責任を自らの手で追及しなかったこの国の民は、ひとたび事が起こるとまたまた長い物には巻かれろ式に引きずられて行ってしまうのではないでしょうか。

 戦後生れが多数派になってしまっている現在、戦争に対する知識も関心もどんどん薄れて来ていますが、被害を受けた国の人々の恨みは、この国がきちんとけじめをつけない限り代々語り継がれていきます。起きてしまったことは取返しがつきませんが、せめて忘れないでいたい、知らない人には知ってほしいという思いで、毎年夏になると上演を繰返しています。

 千鳥ヶ淵戦没者墓苑に眠る骨たちの無念に、一人でも多くの人が思いを馳せる夏にしたいと思います。

1999年8月


昨年の稽古場公演アンケートより

◇  大変感動しました。戦争を体験しながら本当の戦争の意味を知らなかったのではと心より思いました。 

◇  朗読とも芝居とも違う、まさに「ドラマティック・リーディング」と言ったかんじの舞台でした。
   理屈で考える前に、経験したことも無い戦場に居合わせたかのような錯覚さえありました。 −

◇  私の知らない、知らされていない事実、真実これは日本国民全員に言える事だと思います。
   もっと広く伝えたい。−

◇  悲しみというのがとても強く伝わってきました。
   このことを言いつづけなければならないことが、また悲しく思いました。−

◇  反戦の芝居もいろいろ見てきましたが、大君の罪を声高に訴えているので、ほっとします。−

◇  笛の種種の音色、単純な楽器の出す音の効果にうたれました。
   被害・加害の両側からの視点の作品は貴重であると思います。−

8月 11(水) 12(木)
ひる 3:00 3:00
よる 6:30  

※「千鳥ヶ淵へ行きましたか」は横浜でも公演がございます。

千鳥ヶ淵へ行きましたか横浜公演
1999年8月14日(土)  開演時間3時・6時

      会場  横浜テアトル・フォンテ(相鉄線いずみ中央駅下車)   
      入場料 当日 3,500 円 前売 3,000 円 学生 2,000 円



劇団民藝
〒215-0035 神奈川県川崎市麻生区黒川649−1
Tel 044-987-7711 Fax 044-986-0034


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