『静かな落日』舞台写真


第一幕三場 (本郷)菊富士ホテル

『静かな落日』舞台写真1

広津和郎(伊藤孝雄)、広津桃子(飯野 遠)

和郎 「桃子は読んだことがあるのかい、お父さんの小説?」

桃子 「ええ」

和郎 「何を?」

桃子 「全部」

和郎 「……!それはやめた方がいい。女学生が父親の小説を読んじゃいけない」


第一幕四場 (世田谷)和郎の家

『静かな落日』舞台写真2

広津和郎(伊藤孝雄)、志賀直哉(水谷貞雄)、松沢はま(仙北谷和子)

和郎 「よして下さい、それはだらしない自分に言ってきかせる言葉だったんだから」

志賀 「だから僕にもピンとくるんですよ。この先しばらくはこの散文精神で締めてかからないと」


第一幕五場 (熱海)和郎の家

『静かな落日』舞台写真3

広津和郎(伊藤孝雄)、宇野浩二(小杉勇二)

和郎 「でも第一審の判決では有罪だった。五、六人が死刑だったろう」

宇野 「だからおかしいんだよ」


第二幕六場 福島地区警察署

『静かな落日』舞台写真4

玉川 正(伊藤 聡)、武田辰雄(松田史朗)、赤間勝美(伊東理昭)

赤間 「もう一度……婆ちゃんにもう一度訊いて下さい!」

玉川 「網走ッて知ってッか?あそこの刑務所はな、冬には零下30度の地獄だッつうぞ」


第二幕八場 (大塚)和郎の仕事場

『静かな落日』舞台写真5

広津桃子(樫山文枝)、広津和郎(伊藤孝雄)

桃子 「どうしてお父さんはこの裁判にこんなにまで……?」

和郎 「今更何だい、お前ずっと俺の傍にいたんだろう」


第二幕九場 (熱海)和郎の家

『静かな落日』舞台写真6

広津和郎(伊藤孝雄)、広津桃子(樫山文枝)

和郎 「新聞に出ているよ」

桃子 「これ昨日のよ」

和郎 「俺の頭はやはり何か部品の一つ足りないらしい」

桃子 「これでよく裁判に勝てたわねェ」